ぬいぐるみ修理のアレコレをまとめておく

服や毛皮をまとったおもちゃは、累計で 90 / 1269 の 7.1 % で、月 1 個ぐらい。

切開不要のネジ止め式は NO.430 NO.1192 の 2 例のみ。
電池やメカのない単なるぬいぐるみも NO.104 の 1 例のみ。・・・ ボタン付ができれば自分で治せる程度でも、医者が身内の手術はできないのと同じで、手をつけられないらしい。

毛皮付組立てキットは皆無で、作った経験がなく、裁縫が伴うので敬遠しがちであるが、やれば何とかなる。
時間が 2 倍 かかるので、入院おもちゃの最後にすれば時間無制限で気が楽。


(1)構造( 歩くペンギン + 歩く犬のイメージ )


@電池 BOX
Aギヤ BOX
Bクランク
C足
Dセンサ
Eスピーカ
F基板
G半割ケース
H頭部
I胴体毛皮
J脚部毛皮
K電池 BOX 毛皮

上記のブロック別に他の例も含めてメモしておく。
そのあと
L裁縫道具
Mその他


実機画像など、参考サイト
奈良健やか交流塾 おもちゃ病院 修理のヒント ⇒ メカの修理のヒント ⇒ 15 - 1 〜 15 - 9




(2)電池 BOX

@他のおもちゃの故障状況と変わらないが、断線、保護ヒューズの割れなど振動に起因する故障が多いかな。

A電池フタ紛失の場合は、プラ板などで作らないと電池が脱落して遊べない。



(3)ギヤ BOX

@動作が複雑化しており、メカリンクが多いので、デジカメで撮っておいたり、外したところは多色マジックで合マークをつけておく。

A外したリンクなどむき出しで動かす時、指を挟んだり、レバーを変形させたりするので、よく観察しながら可変電源でゆっくり回転をあげる。

B鋼板製ギヤ BOX の場合、折り曲げ爪を起こすが、戻すのは最後の最後にして回数を減らさないと折損してしまう。

爪を完全に垂直まで戻すと、元に戻す方向を間違うことがあるので、抜ける程度に起こす。

コジて爪を起こすとき、鋼板平面を支点にせず、鋼板の端面を支点にするなど板部材を変形させないよう工夫する。
へこんだ鋼板の修正は、余計ボコボコにしてしまうのがオチ

中間試運転では、爪を戻さず、マスキングテープで巻いて仮固定する。
マスキングテープのよいところは、手で切れる、貼ったところがすぐわかる、ネチャネチャしない、瞬間接着剤が効く、字が書け読みやすい、安い。

爪が折れてしまったら、面倒でも鋼板に φ 1 の穴を開け、針金でビビリ音が出ないように締め上げておく。

Cクランク先はワッシャが抜けないように軸端がカシメてある。
ヤスリでカシメを削り、組立てはワッシャを入れ、カシメ部分にφ 2 程度のシリコンチューブを接着固定する。

力のかかるところは、軸端を SUS 線で縛り、抜け止めとする。

目立てヤスリで軸に直角の溝をつけ、φ 0.2 の SUS 線で鉢巻し、接着剤で固めておく。



Dプーさんに多いのだが、メーカが違うのに同じ製造元のギヤ BOX が使用されている。
このギヤ BOX の定番故障に初段のピニオン割れがあるが、圧入してある部品が多いので、分解せずにハトメを半割りにして、瞬間接着剤で固定している。
正常部分、特に圧入部は外したくない。
実例 1 NO.648
実例 2 NO.770
実例 3 NO.1049

Eタイマーギヤ
一定時間経過するとギヤの噛み合わせを変えるたくみなギヤ

昔から使われている定番ギヤだが、どうして動くのか?


長い桃色ピニオンで駆動、黄色と緑色ギヤに噛み合っている。
黄色には山が 2 個あり、緑色には谷が 2 個あり、半周毎にはまる。

最初上図でスタートすると、少しずつ黄色と緑色が離れていき、山と谷がずれる。

機械常識では、ありえない構造だが、黄色と緑色ギヤの歯数が 1 枚違うため、だんだんずれる。

モジュール 0.5 の 46 歯と 47 歯の直径は、24 mm と 24.5 mm、半径差では 0.25 mm でおもちゃでは許される範囲なのだろう。




(4)足

@足本体の折損
足は弾性のある素材(ポリプロピレン系)が多く、折れた部分を単に接着では絶対ダメ、すぐ折損する。
t 0.5 〜 の PET 板もしくはアルミ板を表裏に当て、穴を開けてステンレス線で縛り、その線と穴を接着剤でガチガチに固めてやるとよい。
素材にいくら肉盛りしてもつかないと思うほうがいい。グルーもダメ。

なお、難接着系の場合、プライマー ( ロックタイト 770 ) を塗布しておくと接着しやすくなる。


A足の支持軸の折損
電池 BOX の横にある軸が破損の場合は、通しの心金を入れて接着しないとすぐ折損する。



B支持軸の抜け止めが、Gのカバーで兼用されている場合、寸法的に余裕があれば、(3) - C と同様にチューブをはめてやると、後の組立てが楽になるし、カバーが破損しても足が抜けない。



(5)センサ

@ゴム接点+櫛歯パターン、タクト SW 、コンデンサマイク、圧電板、Cds、リミットSW、赤外線ダイオード、焦電センサ、振動 SW、電波時計などオンパレード、場所も手足、頭、ホッペ、胸、背中、尻尾など、作動の仕方も間接作動ありなど多彩。
ぬいぐるみを 100 個修理すれば、たいていのおもちゃに対応できるのでは?

A接点の汚れ、断線がほとんど。

B手足のゴム接点+櫛歯パターンやタクト SW は、15 × 20 ぐらいの基板についているが、小さな布袋に入れてあり、糸でズレ止めしてあるので引き抜けない。
手足を切開しない場合、小さな袋を縫いつけている所を探して糸を切り、引き抜く。
引っ張れば表皮がへこむので縫い付けている場所の見当がつく。

SW を押すとき、あたり全域を押すので、線が基板の角に押し付けられ、半田硬化部が切れやすくなる。
接触不良などがあると、強い力で押しまくるので、センサ本体も壊れてしまう。
線をまっすぐ出すのではなく、下図のように一度基板の下を通して、テープで巻いておくと切れにくくなると思う。

基板のままで保護がない場合、繊維がスキマにもぐり込むと接触不良になるので、小さいポリのチャック袋に入れておく。


C断線時、線の被覆が硬化していると感じたら、少なくとも手先から脇下までは、可とう性の電線に張り替える。

タミヤ ITEM 75019
6 V 1.5 A 平行コード( 5 m ) JYOSHIN キッズランドで ¥300
30 芯( VFF φ 0.08 / 30 本 = 0.15 mm^2 )で柔らかく、太さもちょうどいい
プラレール連結部の断線もこれを使用。


D声や拍手に反応するセンサは、コンデンサマイクが多く、圧電板もたまにある。
自分が出す雑音で反応する場合、コンデンサマイクをウレタンスキマテープで巻いて感度を下げる。

普通の「 オーイ 」などでは、反応せず、「 シーッ 」の鋭い声で反応するようにしてあることがある。
入院時には持参されていない付属のガラガラの音や、付属の笛でないと反応しないものもあり、取説を検索してみたり、いろいろ試してみる必要がある。



(6)スピーカ

@さすがに単体そのままで頭の中に入れてあるのはなく、簡単なスピーカケースに入れてある。
胴体のGの半割カバーのミゾにではさんであるのが多い。

A胴体を分解したとき、ブラブラさせていると断線するので、面倒でも最初に線と極にマーキングして半田を外しておく。



(7)基板

@ネジ止めでなくグルーで固定しているのがあるが、ポロっと外れているのがよくある。
グルー剥離面を瞬間接着剤で接着し、基板をマスキングテープでギヤ BOX などの平面に貼り付けておく。
テープ端面の所々に瞬間接着剤を点滴し、テープの乾燥剥離を防止する。
点滴は一旦、ヨーグルトカップの底裏面などに 1 滴を出し、爪楊枝の先ですくって塗布する。

Aグルー接着
ホットメルトとも言うが、ダンボールなど箱の接着には、とにかく早いので重宝する。
グルー材は、EVA ( エチレン・ビニール・アセテート )が一般的で、紙、木、発泡スチロールの接着に使用される。
プラスチック、金属、タイルなどには不向きとされている。

おもちゃの修理に使えるかであるが、前述のようにポロっと外れているのが多く、用途違いである。

耐久力については、用途に合ったスティックを使用しないといけないが、ガン径に合わせて購入する程度では、作業効率 UP の仮止めにしかならない。

小生はおもちゃ修理には避けている。
・ステック素材の選定などしていないので、接着強度や耐久性が不明で、そもそもプラスチックには向かない。
・外れれば分銅になり、断線を助長する。
・端子が隠れるのでテスターチエックができない。
・目視の断線チエックができない。
・製造上の効率 UP の工法であり、用途違いの欠陥持つ元通りにするのではなく、病院としては、再発防止や次回修理がしやすいようにしたい。
具体的には、ゴム系、ボンド SU などの接着剤を使用する。

B基板に毛皮の綿ボコリがついている場合、歯ブラシで除去する。
吸湿すれば、短絡してμA 程度が流れる可能性がある。



(8)半割ケース

@ネジ 4 〜 5 本で抱き合わせてあるが、材質が弱く、ネジ穴がすぐバカになるので強く締めないようにする。
試運転では、ネジ止めせず、マスキングテープで仮止めする。

Aふんずけられたりしたときに足の折損と同時にお尻の下部が割れたりする。
少々であれば断片を瞬間接着剤を塗った紙テープで貼り付けるぐらいでよい。
少し強度が欲しいときは、裏側に PET 板を瞬間接着剤で貼り付ける。
ガーゼ等の布やガラス繊維に 401 瞬間接着剤を滴下すると、水蒸気が噴き出るくらい熱くなり、ヤケドするので注意!



(9)頭部

@頭が動かない作りのものはあまり心配がないが、中のポリエステル綿の位置や量を変えると表情が変わるので注意!

Aギヤ BOX からロッドが出て頭を上下するものは、中のポリエステル綿の弾力を制限しないとモータが過負荷になる。
実例は NO.949

B歩行犬の場合、鳴き声用フィゴがあったり口が開閉したりで、複雑であるがすべてを脱がしたことはまれである。
頭と胴体をつないでいるシャフトを抜けば大抵のことは済む。
シャフト端にはフタ付きワッシャがあり、ここもワッシャが抜けないように軸端がカシメてある。
( 3 )- Cと同様にして、チューブを少し長めにしてシャフト端が出ないようにしておく。

Cフイゴの破れは、最近は見かけない縦筋入り半透明茶封筒で補修する。( 筋入りハトロン紙製でまだ売ってる )



(10)胴体毛皮

@足付近の可動部に中のポリエステル綿が寄ってくると過負荷になる。

A手が回転式になっているものは、プラスチックリングなどに毛皮が貼り付けてあり、複雑である。
元通りには修復できない場合、過負荷を避けるため、毛皮を少し小さくし、リングなしで瞬間接着剤で固定する。

B手を動かすタイプで服がゴワゴワの場合、かなりの負荷になるので、中綿を少し抜いたりしてやる。

C背中の毛皮が半割ケースGに挟み込んであるのがあるが、元通りにするのは難しい。
中に入れ込んであった部分をカットしておかないとラクダのコブみたいになる。



(11)脚部毛皮

@ペンギンやプーさんのように 2 本足で自立するタイプは切開しなければならない場合が多い。
自立のため足の裏に面積の大きい板がグルーで固定してあるのがよく外れている。
接着しなければならないが、足の毛皮筒から取り出せない。

A肉球の部分にポリエステル綿が薄く入れてあるが、これの入れ方が片寄ると自立が困難となる。



(12)電池 BOX 毛皮

@脱衣の場合、電池 BOX 周辺からはじめる。

AケースGと電池 BOX の隙間に折り込んであるので少しずつめくり上げていく。
グルーかゴム系の接着剤なので引っ張れば外れる。

B電池 BOX 周りから胴体まんなかぐらいまで外すと、歩行犬では、足の毛皮を抜いて外せることがある。
後ろ足から抜いていくが、毛皮を何度も引っ張ると伸びてだんだん抜けていく。
これで 4 本足が抜ければ、切開せずに済む。

C足がどうしても抜けない場合に、切開を考える。最少で目立たないところを探す。
マジックテープは、外さずに毛皮ごと切り、あとで縫合する。
マジックテープのゴミはピンセットできれいに掃除する。

D電池 BOX 周辺の復帰は、グルーのあった所に瞬間接着剤で、全周ではなく点付けしてやる。
カバーと電池 BOX の隙間に押し込む部分がゆるい場合は、押し込んでからドライバで隙間を広げ、瞬間接着剤を爪楊枝でつける。

E電池 BOX が独立して胴体に放り込んである場合、ポリチャック袋に入れて万一の液モレに備えておく。



(13)裁縫道具

@握りバサミ、直線針、曲線針、指貫、糸通し、ゴム通し、糸、タコ糸など

A曲線針は必須、ほとんどこれでいける。

縫い合わせ長さが 5 cm の場合、まず両端を縫う。間は 1 cm 間隔で曲線針ですくい、1ヶ所ずつ絞ってダンゴ結びして完結させていく。





普通の毛皮では、絞れば縫い目や隙間は見えず、強度もあり、糸は少し無駄になるが簡単である。

中間色で同じ色の糸がないときは、灰色の糸を使うと目立たない。

毛のフサフサしたものはよいが、毛の短いものはこれでは目立つ。
毛の短いものは、コの字縫いという裁縫技術をまねる。
この動画


縫い合わせは何度も試運転し、最後の最後の最後にする。
ケースにハメコミの電池 BOX のフタなどを忘れると、せっかく縫合したところをまた開くことになり、ガックリとなる。

Bゴム通しとタコ糸は、インシュロックの代わりに使用する。
インシュロックは、四角の塊と鋭い切り口があるので避けている。

きつく締めるには、糸の片方を机の脚などに縛り、もう片方を引いてきつく締め、交点に瞬間接着剤を点滴し、乾燥後ダンゴ結びにする。
綿のタコ糸ならどれでもいいようだが、添加物がないと思われる料理用がいいだろう。
ブタの糸巻きだから料理用とすぐわかる。




(14)その他

@洗濯
毛皮全体が外れたとき、白地のもので汚れがひどいときや、電池の液漏れで茶色くなっているものは、ぬるま湯で手洗いしてやる。
ここからは ぬいぐるみのクリーニングサイトの情報
・中綿は外す
・首輪や付属品は外す
・普通の洗濯用中性洗剤で手洗いし、すすぎを十分してやる。
・脱水はバスタオルにくるんで 2 分ぐらい脱水機にかける。
・乾燥は陰干し。( 小生はエアコン噴出し口の前に最低 2 日つるして乾燥、ドライヤーは長時間取られるし不経済 )
・完全乾燥前にブラッシング


A毛玉とり
ホッペなどの毛玉や洗濯後の黒い微粉末(何か不明)を取ってやる。

電池式毛玉取り器 + 掃除機吸引アダプタ
吸引するので、頻繁なごみ掃除の必要がなく、当てるだけで面白いように取れ、重宝
だだ狭いところを空気が流れるので、キーンという高周波音が出て深夜にはできない。
赤プランジャ先の白い空気抜きの栓を緩めると音は消えるが吸い込みが弱くなる。

キーボード楽器などの裏フタのゴミ掃除は、毛玉取り器を外し、歯ブラシでさすりながら吸引すると隅々までキレイに取れる。





Bメダマ

上 : ムービングアイ ・・・ 都度手配 2 個で ¥108 だが紛失以外は元のものを直す。
重りの重力式だが、電磁式があればパチクリやウインクができて表情が豊かになり、楽しくなる。

下 : 洋服ボタンで代用 ・・・ 壊れたものまたは外したものを手芸店に持って行き、同じようなのを探してもらう。




動くメダマで動眼と言う。・・・ 100 均で。
貼り付け式、縫いつけ式があるが、縫い付け式は見たことがない。



Cポリエステル中綿

液モレで汚れた部分の入れ替えをしたぐらいで、たいていは余り気味になる。
たまに茶色いウレタンが入っており、ボロボロの粉末状態のときは入れ替えする。
100 g 入り ¥300 程度、20 g も使えば多いほう。

綿を見るといつも思い出す。「 鉄 1 Kg と 綿 1 Kg ではどっちが重い?」
子供相手のクイズでは何のことはないのだが、厳密にはどうなのかがずっと気になっている。
WEB で、物理公式を持ち出して説明しているのがあるが、どれも最後にはウヤムヤ?
少数点以下無限のミクロ視点では、「 長さ、重さ、体積、時間 ・・・ などがまったく同じものは作れない 」 のだから 「 わかりません 」 が答えと思うのだが。




D手芸店
小さなところはなんとなく敷居が高いので、スーパー、大型専門店だと未知の世界がゆっくり散策できる。
世界のホビー材料 ユザワヤ


Eリモコンハンドル部のケーブル断線
ケーブルの抜け止めとしてハトメ、リング、インシュロックで締めつけてあるものは、断線を助長しているので別の方法を考える。
実例 1 NO.854
実例 2 NO.954

出口の内部ボスにケーブルが 1 回巻きしてあるものも、きつく締めず、大きいループを糸で縛り、ブラブラさせるくらいにする。
ブラブラにして内部部品接続に影響しそうなら、ケーブルを糸でボスに縛りつける。
スペースやケーブル長さが苦しいときは、ループにせずストレートでボスに縛り、糸、ケーブル、ボスに接着剤を点滴しておく。












---- 2016.02.24 ----